父親が大工の棟梁だったこともあって、高校を卒業してすぐ17歳の時から父親の下で働いていたという。
多くの弟子たちの中に混じって、人一倍怒鳴られながら仕事をしていく中で大工としての腕は自然と身についてきたいう。
厳しさの中で身についた腕は、現場での仕事の姿を見れば誰もが納得する。そんな本人も初めは“大工”という夢があったわけではなく、家業であるからやらざるを得ないという感じだった。
しかし一つ一つお客様の違う思いをカタチにしていく中で、この大工という仕事に大きなやりがいと魅力を感じてきたという。
今まで大工という仕事を続けてこれたのは、この大工という仕事に大きなやりがいを感じ始めたからだという。
一人一人違う施主さんのオモイをカタチにしていくことがやりがいであり、日々自分を成長させてくれるという。現場での仕事っぷりは、とにかく丁寧で速いの言葉に尽きる。
これまで工事させていただいた施主さん方々からも
「大工さんの作業する姿に見入ってしまいました。」
と言う声をいただくことが多い。またお客様だけに限らず、業者の方々からの信頼も絶大。
本人の話では「性格上こういう仕事のスタイルになってしまうだけ。
適当な仕事をするのであったら、自分の性格上この仕事を続けていないだろうし。」と語る。
本人の言うこの“性格”と先祖代々受け継いできた匠としての“腕”があるからこそ、多くのお客さんのオモイを、本物のカタチへとかえ、満足してもらうことが出来るのだと改めて実感させられる。
昔ながらの伝統工法。できる人だからこそ、その本当の素晴らしさが分かる。
「やはり伝統的工法で家をもっと多く建てたいですね。その美しさ、強度はやはり他のものにはまけません。しかし現状はその工法を生かせる職人さんが本当に数少なくなってきている。次世代にそれを継承していくことが本当に求められてきている。そうしないと本当に良いものというものが変わってしまいますね」
と今後の日本建築についての問題を語る。
「今後家を建てようと考えているお客さんには是非時間をかけて自分の家を建てて欲しい。
量産品のように家が建てられているのが今の現状だが、一生に一度で最大の買物であるし、その後の暮らしをより楽しく、明るく送っていただくためにも、個々のオモイを時間をかけてぎっしり込めてほしい。
そういう家を建てたいし、これこそが最大のやりがいですね。
計画に時間を取り、工期に関しても時間をかけてこそ、長く住んでいける家が出来上がるものですから。
工期を気にして,大事なところを省いてしまっている家が多くなってしまっていると思いますね」